まず難聴の診断・治療を行います。難聴の原因には中耳炎、先天性、老人性、騒音性、遺伝性、薬剤性など様々です。治療は薬剤投与、5%CO2吸入療法などを組み合わせて行い、耳を大事にするための日常生活の指導も行います。治療によっても難聴の程度が大きく日常生活に支障が出るようであれば補聴器の適合を行っています。
| 開業以来、耳鳴りの疫学を調べていますが、平成15年の日本耳鼻咽喉科学会にて報告させていただいたデータでは、一般耳鼻咽喉科に来る患者さんの3616名中、14.6%が耳鳴りを訴えておられます。音質はキーンやジーンが多いのですが、難聴の性質、耳鳴りの程度と煩わしさ、動脈硬化性疾患の背景因子の有無などにより、5%CO2吸入や投薬の種類を選択しています。また内的な治療でも改善せず耳鳴りの程度がひどく煩わしく、日常生活に支障をきたす場合、新しい治療のTRT療法や補聴器によるマスキング治療を行っています。後者は独自の方法(神田メソッド)で行うものでスイスPolitzer
Society学会で報告後、著作権を申請し受理されました。30名以上に消失した経験がありますが、消失しない耳鳴もあり事前の精密検査が必要です。TRT療法も神田メソッドも聴覚を守るために厳密なフィッティングが必要です。どの治療を選択するかは患者さんと相談して決定します。 |
| 現在、補聴器外来を週に5回、朝10:00−18:00まで診療と平行して行っています。4つの業者の23社のメーカー:70種以上の補聴器を扱うことが可能です。これまで大学病院にて1500名の、また2001年開業して以来600名の患者さんの補聴器を適合してきました。難聴の性質・程度・進行の有無・内耳のダイナミックレンジ・補聴器の特性と出力・性質などを評価し、今の補聴器がこれ以上良くならないか調べます。調整でも改善しない場合、身障者福祉法による補助が受けられるかどうか明瞭度なども含め評価しつつ最適と考えられる補聴器を適合・貸し出し、試聴となります。試聴が大事で補聴器適合検査・調整を繰り返し最良の聞こえに近づき医学的判断を得て患者さんの希望に応じて適合していきます。当外来での患者さんの補聴器装用率は90%になります。 |
どんな補聴器でも、最適に合わせても聞き取れない場合、人工内耳で聞こえが改善する場合があります。私はこれまで非常勤講師を務める長崎大学附属病院にて130名の人工内耳の手術を行い(小児67名)手術後もリハビリテーションに携わってきました。大事なのは手術前の適応と手術・その後のリハビリ・小児はその後の療育や家族へのサポートなどです。ドイツ・ビュルツブルグに留学した際に感銘を受けたドイツ・人工内耳センターを模倣し人工内耳センターをこの長崎に造りました。コンセプトは難聴の方の聴覚の回復と(リ)ハビリテーションです。非常勤講師を務める長崎大学と提携し、高度難聴の患者さんの聴覚が改善できるように努めます。小児の場合、必ず術後に教育機関に挨拶に出かけ(これまで7県28施設を訪問しました)手術に至った理由・現在の聴覚・言語の発達・人工内耳の説明、今後どのようにその子に療育していったら良いかなどの説明をしています。
| 乳児・幼児は難聴の診断には注意を要します。自分で聞こえないと言えないからです。A-ABR、ABR、MASTER、遊戯聴力検査、COR、スクリーニングOAE、診断用DPOAE、発達検査などを行いながら乳幼児の難聴を精密検査し、補聴器が必要であれば私と、長崎聾学校で30年間難聴児に補聴器を適合してきた先生、3名の認定補聴器技能者の方々と相談しながらその子に合った最適と考えられる補聴器を適合していきます。すでに補聴器を使っている難聴児の場合、その補聴器が合っているかどうかいろんな側面から検査して評価、必要なら適合・調整しています。長崎県で2003年10月から全県で新生児スクリーニングが始まり、全出生児約14,000人の約80%がスクリーニングを受けてきていますが、難聴が診断されたあとのご家族へのサポートはさらに大変重要なポイントになります。 |
難聴によるものかをまず鑑別することが重要です。難聴はすみやかに改善しなければ手遅れになることもあるからです。中には滲出性中耳炎のように治療により治る難聴もあります。治らなくても補聴器や人工内耳で聴覚を高めることが重要です。聴覚が高められた場合Auditory-Based-Learning
を主体に、できるだけ健聴者とコミュニケーションできる療育をサポートしていきます。これには家庭でのご両親の療育・ご両親への療育指導なども大事なポイントとなります。他に発達性の言語の遅れによるものもみられます。このような場合、長崎大学小児科遺伝外来や発達外来とも相談しながら療育を行っています。
突発性難聴・メニエール病・椎骨脳底動脈循環不全・頭位性めまい・前庭神経炎などめまいは耳鼻咽喉科でなければ診断できない疾患がたくさんあります。聴覚の検査や平衡機能検査・重心動揺計などを加えながら診断しつつ、加療を行います。また中枢性の要因が濃い場合、近医の脳外科の先生とタイアップしてMRI、CTなどで精査を行っています。
外耳炎・中耳炎によるものが多く、耳漏は細菌の検査をしてその菌種に有効な抗菌剤を処方します。薬剤耐性菌に対しても充分な注意が必要です。慢性中耳炎の耳漏の場合、聴覚検査や語音明瞭度検査・日常生活の困難度・患者さんサイドの治療による期待などを鑑みて保存的治療、手術的治療の選択をします。
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