ことばが遅れている

9月 14, 2020 in ドクターアドバイス

難聴によるものかをまず鑑別することが重要です。

難聴はすみやかに改善しなければ手遅れになることもあるからです。
中には小児に多く見られる滲出性中耳炎や慢性中耳炎、耳小骨奇形のように治療や手術により治る難聴もあります。治らない場合は、補聴器や人工内耳で聴覚を高めることが重要です。
聴覚が高められた場合Auditory-Vrerbal-Therapy(AVT療法、聴覚音声言語法) を主体に、できるだけ音声言語でコミュニケーションできる療育をサポートしていきます。
これには家庭でのご両親の療育・ご両親への療育指導なども大事なポイントとなります。
他に発達性の言語の遅れによるものもみられます。
このような場合、小児科の先生方や発達外来、特別支援学校やろう学校の先生方とも相談しながら療育を行っています。

発音が弱いお子さんの場合は、聴覚検査や構音検査の上、構音トレーニングを行っています。

補聴器でも聞こえにくい

9月 14, 2020 in ドクターアドバイス

現在、補聴器外来を週に5回(月、火、水、木、土)、9:00-17:30まで診療と平行して行っています。

あそう補聴器・長崎補聴器・リオネットセンター・田川補聴器(特に離島に在住の方のため・五島在住で下五島・上五島・対馬にも巡回で行かれている業者)、ほか全部で6つの業者の27社のメーカー:100種以上の補聴器を扱うことが可能です。
2020年まで大学病院にて約1500名の、また2001年開業して以来3,200名以上の患者さんの補聴器を適合してきました。
難聴の性質・程度・進行の有無・聴覚のダイナミックレンジの検査・補聴器の特性と出力・性質などを評価し、今の補聴器がこれ以上良くならないか調べます。
調整でも改善しない場合、身障者福祉法による補助が受けられるかどうか明瞭度なども含め評価しつつ最適と考えられる補聴器を適合・貸し出し、試聴開始です。

初めての方も同様に難聴の性質・程度・進行の有無・聴覚のダイナミックレンジの検査などを評価し、もうこれ以上医学的に治療で改善しないと判断した場合に補聴器で難聴によるハンディキャップを「治す」ように適合して行きます。試聴や患者さんの訴えが大事で補聴器適合検査・調整を繰り返し、最良の聞こえに近づくように聴覚医学的判断を加えて患者さんのご希望に応じて適合していっております。

当外来での患者さんの補聴器装用率は90%になります。

小児・幼児の音への反応が悪い

9月 14, 2020 in ドクターアドバイス

乳児・幼児は難聴の診断には注意を要します。

自分で聞こえないと言えないからです。
AABR、ABR、MASTER、3D-ティンパノメトリー、遊戯聴力検査、COR、スクリーニングOAE、診断用DPOAE、発達検査などを行いながら乳幼児の難聴を精密検査し、補聴器が必要であれば私と補聴器適合経験が豊富な言語聴覚士、長崎聾学校や当施設で45年間以上、難聴児に補聴器を適合されてきた田中英雄先生や聴覚障害児教育に携わった当施設の教員と相談しながら、3名の言語聴覚士や教員とも評価をしつつ、その子に合った最適と考えられる補聴器を適合していきます。
すでに補聴器を使っている難聴児の場合、その補聴器が合っているかどうかいろんな側面から検査して評価、必要なら適合・調整しています。
長崎県で2003年10月から全県で新生児聴覚スクリーニングが始まり、現在では全出生児約10,000人の約100%が長崎県で新生児聴覚スクリーニングを受けていますが、難聴の的確な評価や診断、適正な補聴、難聴が診断された後のご家族へのサポートもさらに大変重要なポイントになります。