人工内耳について


- 最近のトピック -

人工内耳と音楽(Music perception with cochlear implant)(2020.6.10更新)

新生児聴覚スクリーニング、人工内耳に関連する厚労省研究を長崎県と行いました(2020.6.10更新)

両側人工内耳の論文が出されました 〜両側人工内耳の現状と未来〜(2020.6.10更新)

 論文「2016年度における人工内耳装用児の通常学校進路状況とそれに影響する因子について」(2019.5.19更新)

 人工内耳の国際シンポジウム(ベルギー、2018年)でパネリストとして報告(2018.8.7更新)


◎長崎大学での人工内耳の手術症例数は1997年〜2019.7月で、609耳です。
(両側181耳、同時両耳24耳)

◎そのうち約9割が当施設に術前からリハビリテーションに通っている患者さんであり、院長が大学病院へ手術に出向いて後進の医師を育成しながら行ってきました。長崎大学病院の連携リハビリテーション施設であり人工内耳リハビリテーションを行っています。

◎人工内耳リハビリテーションの数は2019年7月現在→小児281名、成人135名です。

◎202名の時点での就学児以上の小児において通常学校就学率71%で最近約6年間は80-90%台という海外と同レベルを示しています。

(神田ら、Audiology Japan, 277-286, 2018)

◎長崎の人工内耳は1997年、2月に長崎大学医学部付属病院にて第一症例が行われました。写真は、当時人工内耳を長崎に導入された長崎大学医学部耳鼻咽喉科主任教授の小林俊光先生(現; 東北大学医学部耳鼻咽喉科名誉教授、仙塩利府病院耳科手術センター長)と初めて先天性難聴のお子さんに行った人工内耳の時の新聞記事です。

新聞 (2)

◎その後院長は1997年にドイツ、ビュルツグルグ大学耳鼻咽喉科(主任教授Jan Helmsヤン・ヘルムス教授)に留学し、人工内耳手術、機器調整、聴覚オージオロジー、リハビリテーションシステムの研鑽を受けてきました。

◎2010年8月、ドイツのビュルツブルグ大学の聴覚センターCHCと、広大な人工内耳リハビリセンターCICS(ビュルツブルグ郊外、Cochlear Implant Center of South)を2回目の訪問をしこの人工内耳医療やリハビリテーションの進歩を見学しました。

CHC

CHC2

◎長崎大学耳鼻咽喉科の前教授、髙橋晴雄教授(現長崎市民病院理事、長崎大学名誉教授)、ドイツ・ビュルツブルグ大学時代にお世話になったJan Helmsヤン・ヘルムス教授、当時講師だったヨアキム・ミューラー先生(現ミュンヘン大学教授)とシーボルト記念人工聴覚器シンポジウムを開催しこれまで9回行ってきました。ドイツや海外の人工内耳や人工中耳の先駆者をお呼びしてシンポジウムや国際交流を行い、国内の耳鼻咽喉科手術医やリハビリテーションに関わる言語聴覚士・心理学者・教育者の方々と共に研鑽を積みました。

シーボルトシンポジウム プログラム1002_page-0001

シーボルトシンポジウム プログラム1002_page-0002

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◎ ベルギーのアントワープでの国際人工内耳シンポジウム; CI2018、会長のへイニング教授よりご招待を受け、パネルディスカッションのパネリストとして参加しました。

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- これまでの人工内耳に関する院長の論文・著作の一部 -

・神田幸彦:両側人工内耳の現状と未来. Otology Japan. 29(1)29-34、2019
https://www.jstage.jst.go.jp/article/otoljpn/29/1/29_29/_article/-char/ja/

・神田幸彦、吉田晴郎、原稔、木原千春、伊藤亜紀子、林田幸子、髙橋晴雄. 人工内耳装用児の通常学校進路状況とそれに影響する因子について. Audiology Japan 61, 278-287, 2018
https://www.jstage.jst.go.jp/article/audiology/61/4/61_277/_article/-char/ja

Haruo Yoshida, Haruo Takahashi, Yukihiko Kanda, Kitaoka Kyoko, Minoru Hara. Long-term Outcomes of Cochlear Implantation in Children With Congenital Cytomegalovirus Infection. Otol Neurotol. 38(7) : e190-e194、2017

・神田幸彦:両側に人工内耳を装用するメリットはどのようなものがありますか? 特集 / 知っているようで知らない人工内耳Q&A. JOHNS 32(12)1745-1747, 2016 December

・神田幸彦・原稔:人工聴覚器手術 人工内耳手術ー蝸牛骨化の場合ー. 特集 / 私はこうしているー耳科手術編. JOHNS 32(9)1291-1295, 2016 September

・神田幸彦・吉田晴郎:26. 両側人工内耳. 耳鼻咽喉科イノベーションー最新の治療・診断・疾患概念. ENT〔耳鼻咽喉科〕臨床フロンティアNext 編集:小林俊光・髙橋晴雄・浦野正美82-85, 2016 5月31日発行 中山書店

・伊藤 壽一、守本 倫子、神田幸彦、麻生 伸、阪本浩一、新谷朋子、中澤操、森田訓子:平成26年度「人工内耳実態調査」に関する報告. 平成26年度1年間のまとめ. (調査担当; 神田幸彦) 日本耳鼻咽喉科学会会報. 119; 301-309、2016

Haruo Yoshida, Haruo Takahashi, Yukihiko Kanda, Kenya Chiba. PET-CT observations of cortical activity in pre-lingually deaf adolescent and adult patients with cochlear implantation. Acta oto-laryngologica. Nov 14; 1-7, 2016

・吉田晴郎・神田幸彦・原稔・木原千春・髙橋晴雄:両側小児人工内耳について(共著)¸小児耳鼻咽喉科. 36(3)326-330、2015

・神田幸彦:Q4 人工内耳装用者には音はどのように聞こえていますか?. 今さら聞けない!小児のみみ・はな・のど診療 Q&A I巻. 編集:加我君孝・山中昇108-111, 2015 4月14日発行 全日本病院出版会

・神田幸彦:Q9 人工内耳手術が対象とならないのはどのような場合ですか?. 今さら聞けない!小児のみみ・はな・のど診療 Q&A I巻. 編集:加我君孝・山中昇124-129, 2015 4月14日発行 全日本病院出版会

・神田幸彦:Q11 人工内耳手術は左右の耳に必要ですか?. 今さら聞けない!小児のみみ・はな・のど診療 Q&A I巻. 編集:加我君孝・山中昇133-137, 2015 4月14日発行 全日本病院出版会

神田幸彦:小児人工内耳の低年齢化と両耳装用. 特集・人工内耳の知識UPDATE. . MB ENT No.181:28-35、2015

Yoshida H, Takahashi H, Kanda Y, Usami S. Long term speech perception after cochlear implant in pediatric patients with GJB2 mutations. Auris Nasus Larynx. Oct;40(5):435-9, 2013.

・Kanda Y, Kumagami, H, Hara, M, Sainoo, Y, Sato, C, Yamamoto-Fukuda, T, Yoshida, H, Ito, A, Tanaka, C, Baba, K, Nakata, A, Tanaka, H, Takahashi, H. : Bilateral Cochlear Implantation for Children in Nagasaki, Japan. Clin Exp Otorhinolaryngol. 2012 April; 5(Suppl 1): S24–S31, 2012

・Kanda Y,Kumagami H,Hara M,Sainoo Y, Sato C, Yamamoto-Fukuda T, Yoshida H, Ito A,Tanaka C,Baba K,Nakata A,Tanaka H,Fukushima K, Kasai N, and Takahashi H.: What Factors Are Associated with Good Performance in Children with Cochlear Implants? From the Outcome of Various Language Development Tests, Research on Sensory and Communicative Disorders Project in Japan: Nagasaki Experience. Clin Exp Otorhinolaryngol. 2012 Apr;5(Suppl 1):S59-S64, 2012

・Yoshida H, Kanda Y, Takahashi H, Miyamoto I, Chiba K. : Observation of cortical activity during speech stimulation in prelingually deafened adults with cochlear implantation by positron emission tomography-computed tomography. Ann Otol Rhinol Laryngol. Aug;120(8):499-504, 2011

・Takayuki Nakata, Sandra E. Trehub, Yukihiko Kanda. : Effect of Cochlear Implants on Children’s Perception and Production of Speech Prosody. Journal of Acoustical Society of America

・加我君孝・小寺一興・伊藤壽一・市川銀一郎・山下裕司・安野友博・神田幸彦・福島邦博、福祉医療・乳幼児委員会:平成19年度「小児人工内耳実態予備調 査」に関する報告 平成17-18年2年間のまとめ. (調査担当 神田幸彦) 日本耳鼻咽喉科学会会報 113(5) 502-508、2010

・Yoshida, H, Kanda Y, Miyamoto I, Takahashi H , Yamamoto T, Kumagami H. : Cochlear implantation in children with congenital cytomegalovirus infection. Otology & Neurotology., 30:725-730,2009

・H, Yoshida, Kanda Y, Miyamoto I, Yamamoto-Fukuda T, Takahashi H. : Cochlear implantations on prelingually adults.Auris Nasus Larynx ., 35:349-352,2008

・Takasaki K, Kanda Y, Kumagami H, Yoshida H, Yamamoto-Fukuda T, Miyamoto I, Takahashi H.:Cochlear implantations in visually impaired patients. Euro Archi. of Oto-Rhino-Laryngol., 264(4):363-367, 2007 Apr

・Mitani C, Nakata T, Trehub S.E., Kanda Y, Kumagami H, Takasaki K, Miyamoto I, Takahashi H : Music recognition, music listening, and word recognition by deaf children with cochlear implants. Ear Hear, 28: 29S-33S, 2007

・神田幸彦:人工内耳と聴覚コミュニケーション. 音声言語医学 48:270-276、2007

・Nakata, T., Trehub, S. E., Mitani, C., & Kanda, Y : Pitch and timing in the songs of deaf children with cochlear implants. Music Perception, 24(2):147-154,2006

・Nakata T, Trehub S.E., Mitani C , Kanda Y, Shibasaki A, & Schellenberg E.G :
Music recognition by Japanese children with cochlear implants. J Physiol Anthropol Appl Human Sci, 24(1): 29-32, 2005

・Kanda Y, Yoshida H, Ogata E, Miyamoto I, Takahashi H. : Word and speech perception results of 103 cases with cochlear implant at Nagasaki University. Cochlear Implants International. 5(1) : 101-103, 2004


- 人工内耳とは -

人工内耳とは内耳に電極を手術で挿入し、その後蝸牛神経を刺激して、脳の側頭葉の聴覚中枢を活性化し、聴こえを高めて会話が出来るようにするものです。

成人の場合
失聴期間が短い場合、比較的早めに会話聴取が可能となる場合が多くみられます。失聴期間が長い場合、定型的なトレーニング、および段階的なマッピング(機器の調整)技術が必要になります。
小児の場合
中途失聴や補聴器で音声言語を獲得し通常学級(普通学校)に通っていて聴力が進行した場合は、蝸牛神経から聴覚の中枢が形成されており、比較的早め に効果がみられます。ただこの場合でも、成人の場合よりも、より具体的なリハビリテーションカリキュラムが必要で、人工内耳を通した音声への適合が重要に なります。先天性難聴の場合は、人工内耳は蝸牛に電極を置いているだけですので、その後、音入れして(ファーストスイッチオンと外国では呼 びます)蝸牛神経らせん神経節を刺激し、蝸牛神経から側頭葉の聴覚中枢、近くの前頭葉の発語中枢などを育て、音声言語を上手に導いていく教育が必要になり ます。このハビリテーションに重要なものとして、日本耳鼻咽喉科学会では小児の適応基準の中に「聴覚を主体とする教育ができる教育期間との連携」を重要項 目として掲げられています。ご両親のご希望に応じて、長崎ベルヒアリングセンターでは、聴覚を活用し溢れるように音声言語を導くことを目的とし 「Auditory-Verbal教育」を行っています。

- 人工内耳について説明があり有用と思われるサイトについて -

◎日本耳鼻咽喉科学会